永遠にされた一瞬

いつかの夕暮れ
貴方はあの一瞬が永遠に続くことを夢見ていた
私はこの一瞬がいつか終わると思っていた
私があの一瞬に終わりを告げてからも
貴方のあの一瞬は終わらなかった
貴方はあの一瞬を永遠にするために
私から時計を奪った
貴方の夢を私の目蓋(まぶた)に刻印して
さようなら
さようなら
貴方の一瞬に囚われた私
もう終わったの
ずっと昔に終わったのよ
なのに私は未だにあの時間へ
私の時計をどこへやったの？
いつも五分早かった時計
私を解放して
時計を返して
もう終わったの
夢は悪夢に変わり
目蓋の刻印が
今夜も私をあの時間へ